猫,殺処分,数

現在、私達の知らないところでたくさんの猫が殺処分されています。

 

環境省では、全国の自治体で殺処分された犬猫の数が2017年度で初めて5万匹を下回った、と発表しました。

 

 

ただ数が減っているとは言え、まだ多くの犬猫の殺処分が行われているのは事実です。

 

そのため日本全国及び世界の猫の殺処分数の推移や、殺処分数をゼロにするためには何をすれば良いのかをまとめました。

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全国都道府県別・猫の殺処分数

 

日本では、自治体や保健所で殺処分される猫が、全国で年間約5万匹はいるようです。

 

これを日毎に換算してみると、136頭という結果が出ています。

 

 

日本ではたくさんの家庭が猫を飼っていますが、その裏では殺処分を受けている猫が多く存在する、という事実があるのです。

 

日本では、何処の県が自治体や保健所に預けられて殺処分を受けているかを見ると、上位から長崎県で2,740匹福島県で2,383匹兵庫県で2,189匹という結果になります。

 

 

この数値を分析すると、保健所に預けてから引き取りにこなかった県が上位を占めています。

 

引き取りについては猫の返還率は0%、譲渡が25%、殺処分が75%となります。

 

 

また犬は返還率は28%、譲渡が35%、殺処分が34%という結果です。

 

猫は子猫の引き取りが多く、イメージ的には譲渡率が高そうに思えるのですが、実は犬よりも低いという結果が現実になり、最終的には殺処分されてしまう事実があります。

 

猫の殺処分数の推移

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猫の殺処分数は、ここ10年間で減少傾向にあります。

 

 

具体的には平成元年で328,000匹平成10年で295,000匹平成15年で267,000匹平成20年で194,000匹平成26年で80,000匹と、年度を追うごとに減少傾向にあります。

 

 

また平成20年からは、急激に殺処分数が減少している事が分かります。

 

この理由は、平成22年に改正された動物愛護法で飼い主の終生飼養責務が定められた事が大きいようです。

 

これは簡単に言ってしまえば、最期までしっかりと面倒を見ましょう、という法令です。

 

 

もし愛護動物の遺棄や虐待をした場合には100万円以下の罰金、殺したり傷つけたら2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます。

 

そもそも捨てる事は犯罪ですが、この法令が確立した事で動物育成を放棄する人が減ったのは大きな成果と言えるでしょう。

 

猫の殺処分数がゼロになるのはいつ?

 

近年、保健所が収容した猫の数を見ると、日本は比較的猫が住みにくい国となっています。

 

実は今の日本では、数値的に見ると野良を捕獲する数よりも、飼い猫を飼い主本人が保健所に持ち込む方が増えている傾向にあるようです。

 

 

ではなぜ飼い主が保健所に連れて行くのかと言うと、上位3つの理由があります。

 

一つ目に年老いてしまったから、二つ目に飼い主が病気になり猫の世話ができなくなったから、三つ目にしつけができずに手に負えなくなったから、という理由です。

 

 

飼い主にとって今の暮らしはもちろん大切だと思いますが、だからと言って今まで飼っていた猫を保健所に預かってもらうのはどうか、と思います。

 

保健所に連れて行かれた猫がどのような末路となるかを、本当に知っているのでしょうか?

 

 

一般の人はほとんどご存じないかもしれませんが、保健所に連れて行かれた猫は二酸化炭素で苦しんだ上、殺処分されてしまうのです。

 

 

つまり殺処分は安楽死なんかではないという事です。

 

この事実を知らずに預けていく飼い主が多いのは問題です。

 

では事実を知る事ができれば、猫の殺処分数はゼロになるのでしょうか?

 

少なくとも飼い主の身勝手で猫を捨てる人は減るのではないか、と信じたいところです。

 

近年、野良猫を去勢・避妊を施して元の場所に帰すという活動が広がってきています。

 

 

猫の殺処分数がゼロになる目途は立っていませんが、このような活動がさらに広がると猫の殺処分数ゼロも見えてきます。

 

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世界中の猫の殺処分数

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日本の猫の殺処分数は年間5万頭という数値ですが、世界での殺処分数はどのようになっているのでしょうか?

 

まずドイツを見ると、猫の殺処分数は何と0%です。

 

 

その理由として、ドイツには殺処分という制度がなく、日本のような保健所で殺処分をする事がありません。

 

もし飼い主が何らかの理由で飼えなくなった場合には、ティアハムというアニマルシェルターで保護されるシステムが整っています。

 

 

その中から約90%が新しい飼い主に引き取られていき、残りの10%はティアハムで生涯を終えるのです。

 

次にイギリスを見ると、殺処分数は約7,000匹未満となります。

 

イギリスにもアニマルシェルターはあり、毎年約10万頭近くの犬猫が保護されますが、こちらもほとんど飼い主が見つかります。

 

 

しかし、病気を持っていたりどうしても性格が矯正できないなどの理由により、仕方なく安楽死となってしまいます。

 

最後にアメリカを見ると、殺処分数は年間300万頭を超えています。

 

日本とアメリカを比べるとアメリカの方が断然多いように見えますが、アメリカでは50%が新しい飼い主が見つかっています。

 

 

しかし日本では、ほとんど新しい飼い主が見つからず殺処分となってしまう事を考えると、日本が一番殺処分数が多い事が解かります。

 

さいごに

 

現在、殺処分数は徐々に減ってはいますが、ゼロになる日はまだまだ遠い状況です。

 

殺処分を減らすために人間が行わなければいけない事はたくさんありますが、少なくとも飼い主が捨てる側の立場になる事だけは避けなければいけません。

 

 

猫と暮らす際には10~20年は共に生活する事になりますので、しっかりと最後まで面倒を見る事が飼い主の義務と言えるでしょう。

 

そのため仮にでも面倒を見る事が難しいと思うのであれば、猫のためにも最初から飼う事自体を控えた方が良いのではないでしょうか。

 

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